タイヤ屋ダーハマの知っときタイヤ?

タイヤの世界をご紹介。

カタログに記載されてる事 2

「積雪又は凍結路では冬用タイヤを全車輪に装着してください。夏用タイヤでは、積雪又は凍結路において、冬用タイヤに比べて制動距離が長くなります。また冬用タイヤは全車輪に装着しないと挙動が安定しません」

これはたまに見かけるのが、乗用車では駆動輪、前輪駆動なら前、後輪駆動なら後ろ二本だけ冬用タイヤ、いわゆるスタッドレスタイヤを装着、トラックなら駆動軸のみ、或いは駆動軸とステアリングアクスルつまり一番前だけ冬用タイヤを履くというケースがあります。

まぁ発想はね、分からんでも無いんですが、例えば乗用車で前輪駆動(以下FF)で前だけ冬用タイヤを装着。確かに駆動する車輪に履けば後ろは転がってるだけなんで進んで行きそうです。

FFは実は後ろの路面への食い付きも重要でして平坦な直線で走りっぱなしなら問題無いでしょう。ただ道路は登り下りがあり、カーブ、路面の傾斜、凸凹があります。

下りのカーブがあるとしましょう。エンジンブレーキを掛けながらハンドルをきります。

FFなので前が重く冬用タイヤを履いてますからトラクション、つまり路面に食い付く力は掛かってます。ハンドルを切れば切った方向にクルマは向くでしょう。しかしここからです。リアは元々軽く下りで荷重もフロントに抜けてるのでトラクションは掛かりづらいですね。夏用タイヤなら積雪、凍結路ならほぼ食い付きません。そこへきてフロントが向きを変えてリアタイヤには横方向の力が掛かります。遠心力はタイヤのグリップで抑えれますが抑えることの出来ないリアは横方向の力がそのままクルマへ伝わり、スリップ。最悪の場合事故へと発展します。

この様に駆動している車輪だけを履いた場合って進むのは進むでしょうが駆動方式、車軸配列に関係なくブレーキやクルマのコントロールが極めて難しくなる為、冬用タイヤは全輪に装着しましょう。